■「平成の特高復活か?
市民も冤罪の標的にされかねない検察審査会の盲点
戦前に存在した「特高を知っているだろうか。正式には特別高等警察という。
体制批判、抵抗活動を行う団体や個人を、必ずしも法令に依らず逮捕し、取り調べ時に拷問を加えることもいとわない存在として、市民から恐れられた。
戦後、新しく制定された憲法および刑事訴訟法により、被疑者の権利と公平な審理が重んじられるようになった。
現在は、我々が司法機関から逮捕・取り調べを受ける場合であっても、「弁護士に弁護を依頼する権利」「自分にとって不利なことを話さなくてもよい権利」「拷問などを用いた取り調べの禁止」などといったことが保障されている。
しかしながらここにきて、罪を犯していない人物を、意図的に逮捕して有罪に持ち込もうとする「検察が作りだした冤罪」が、いくつも白日の下にさらされている |
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2009年7月9日、偽の障害者団体証明書を発行し、不正に郵便料金を安くダイレクトメールを発送させたとして、厚労省局長である村木厚子氏が、虚偽有印公文書作成・同行使罪で逮捕・起訴される事件が起きた。
しかしながらその後の経過において、逮捕・取り調べにあたった前田恒彦特捜部主任検事が、証拠を改ざんしていた事実が発覚した。このことが決め手となり、無罪判決が言い渡されたが、我が国において、被疑者を刑事裁判にかける強権を発動できる検察が冤罪を作りだしたことは、社会に大きな動揺を与えた。
その動揺とは、言うまでもない。我々が身に覚えのない容疑で逮捕され、投獄される可能性である。検察が「平成の特高」と揶揄されるようになったのも無理はない。
だが、「平成の特高」となりうる存在は検察だけではない。気付いている人は少ないようだが、小沢一郎氏の強制起訴に踏み切った検察審査会も同様である。 |