若い者だけに任せておくわけにはいかぬ! 
一人一票の会、全国統一デーin品川 2011・2・6

文・松沢直樹/写真・冨田きよむ
 
ついに山が動き始めた。
有権者の住所によって、投票の価値が差別される「一票の格差問題」。
憲法前文に明記された公正な選挙が行われず、かつ、国民の権利が侵害されているとして、弁護士をはじめとした一人一票国民会議の有志たちが、各地で訴訟を起こしていることは、マスコミを通じて耳にした人もいるだろう。
各地で勝訴判決が続く中、2011年1月28日の福岡高裁では、画期的な判決が下された。

平成22年7月11日施行の参議院(選挙区選出)議員選挙の福岡県選挙区における選挙について、1人1票が認められない選挙は違憲であるという旨の司法判断が下されたのである。
 廣田民生裁判長 高橋亮介判事 塚原聡判事による判決文
(原告訴訟代理人 弁護士 伊藤真氏が運営する伊藤塾掲載による)
http://www.itojuku.co.jp/idc/groups/common_ucmcorp/
documents/itjcpblob/doc_005805.pdf


相続く勝訴判決。そして、この画期的な福岡高裁の1人1票判決には、ソーシャルメディア・ツイッターで、毎週日曜日21時から行われる「一人一票祭り
に参加する国民の意見が大きく影響している。

「一人一票祭り
とは、全国に住む有権者が、自分の意見の後に、ハッシュタグ #ippyo (半角小文字・前後に半角スペース)をつけて投稿し、一票の格差問題について自由に意見を述べるというものだ。最近の一票祭りでは、ハッシュタグの利用が、ツイッター全体での2〜3位に上昇することも珍しくない。

一票の格差問題が国民の関心を集めるようになったのは、この問題が単に選挙の問題だけにとどまらず、私たちの生活のすぐそばにある問題だということが広く認識されたためだろう。
  現に、この運動が始まるまでは、私たちの国民としての権利が規定された憲法がきちんと運用されているかをチェックする最高裁判事を罷免する権利(国民審査権)などについて、日常的に話題にのぼることはなかった。

この問題を広く社会に共有できたのは、「駅活と称して、直に国民に呼びかけを行う若者の力が大きい。
主に法曹志望の学生で組織される「駅活」は、各地の駅前で一人一票国民会議が用意したカードを配り、様々な人に一票の格差問題について広く知ってもらうよう呼びかけるもの

前回は、代々木駅の駅活を取材した。その際の「駅活
の詳細と「一票の格差問題」の詳細については、こちらの記事を参照いただきたい。
●2010年12月11日 一人一票実現国民会議カード配り山手線2周目代々木駅編
http://tomphoto.dotera.net/ippyo/index.html

さて、本日2010年2月6日は、大阪、福岡など、全国で駅活を行う賛同者の一斉行動の日ということで、我々は東京・JR品川駅港南口に出かけた。開始予定の10時に少しずれこんでの取材だったが、寒いながらも好天に恵まれ、道行く人にアピールしやすい絶好の日よりとなった。

今回は、法曹志望の学生だけでなく、年齢を問わない青年参加の混成チーム。
新幹線の乗り換え口がある港南口の小広場に散らばり、一人一票国民会議のカードが入ったティッシュを配る。最初は某かの勧誘と思われたのか、ティッシュを受け取る人もまちまちだったが、開始後すぐに受け取る人が増えた。
男性賛同者二人の表情を改めて見てみると、これまで国民に知らされてこなかった不平等に対して公正を願う、祈りにも似た気持ちが見える気がする。
     
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